誰でも理解できる!『古事記』の全体像を徹底解説【日本神話】

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おたぬき

いろんな神様がいるけど、いつ生まれたのか、誰から生まれたのか、何の神様なのか、いまいち分からないな〜

櫻井

それなら、『古事記』の概要を説明するね!

おたぬき

古事記?

櫻井

うん!神様が誰から生まれて、何をしたのか時系列で書かれているから分かりやすいと思うよ。

今回は誰でも理解できるように『古事記』の全体像をストーリーを追いながら徹底解説していきます。

目次

そもそも『古事記』って?

『古事記』は、和銅5年(712)年に完成した日本の歴史をまとめた書物であり、現存する歴史書の中で最も古いと言われています。(一般に偽書とされるものを除く。)

上中下の3巻構成で、上巻には神々の登場から天皇誕生までが記されていおり、中・下巻には、初代神武天皇から第33代推古天皇の歴史が記されています。

櫻井

今回は、神様について記載されている上巻の内容について解説していきますよ。

第40代天武天皇(673-686年)は、歴史書の内容がバラバラだったので、正しい歴史を後世に伝えたるために編纂することにしました。

そこで、記憶力の天才であった役人の稗田阿礼(ひえだのあれ)に自らが正しいと考える歴史を語り、文官の太安万侶(おおのやすまろ)が編纂しました。

おたぬき

なんで、聞いた人と書いた人が違うの?

櫻井

古事記は内容が多すぎて、編纂するのに長い年月が掛かったんだよ。

そこで、第43代元明天皇が高齢になった稗田阿礼の代わりに太安万侶が筆記するように命じたとされているんだ。

おたぬき

天皇4世代に渡って執筆してたの!?

『古事記』に記される神話の概要を徹底解説!

それでは、さっそくですが『古事記』のストーリー解説に移ります。

まずは天地開闢から時系列順にご覧ください。

天地開闢(てんちかいびゃく)

何もない世界が天と地に分かれた時、高天原(たかまのはら)という天界から、世界を創造した造化三神のアメノミナカヌシ、タカミムスヒ、カムムスヒが現れました。

その後もウマシアシカビヒコヂアメノトコタチクニノトコタチトヨクモなど性別の無い「独神(ひとりがみ)」と呼ばれる神様が現れます。

櫻井

これらの神様は名前が登場するだけで、姿を現さなかったんだ。

おたぬき

自由人な神様だな〜

独神が生まれてくる中、徐々に性別のある神様が誕生してきます。

そうして誕生したのが、あの有名なイザナギとイザナミです

イザナギとイザナミ登場

天の神々はイザナギイザナミに「天の沼矛を渡すから、それで国土を整えて形を固めてくれ」と命令します。

おたぬき

たぬき知ってるよ!
最初の大地は形が定まってなくて、クラゲのように海を漂う状態で立てるような所じゃなかったんだよね!

櫻井

おたぬき詳しいね!
そうだよ、命令されたイザナギとイザナミは天から地上に降りようとするんだけど、大地が固まっていないから降りられないんだ。

沼矛で大地を掻き回して抜くと、鉾から垂れた水滴が固まって最初の島であるオノゴロ島ができ、2柱は降り立って宮殿を造ります。

イザナギはイザナミに向かって「お前の体はどのようにできている?」と問うと、イザナミは「私の体はだんだん整ってきているが、下の方に1箇所穴が空いています。」と答えたので、イザナギは「私の体もだんだん成り立ってきてはいるが、逆に余っている所がある。では、私の余った部分とそなたの穴を重ねてみないか?」と聞きます。

そこで、体を重ねることになった2柱は結婚するために、柱の周りを逆方向に歩き、出会った場所で結婚することにしました。

おたぬき

結婚するために、出会いからやり直すの?
大変だね…。

出会ったイザナミは「なんて美しい男性でしょうか。」と言い相手を褒め、イザナギも「なんと素晴らしい乙女でしょうか。」と褒め、体を重ね合わせます。

最初の神様であるヒルコが生まれますが、骨が無かったので神様として認知できないとして舟に乗せて流してしまいます。また、次に生まれた神様であるアワシマも海に流します。

櫻井

古事記では書かれていませんが、一説には島に流れ着いたヒルコは、後に恵比寿様になったとされていますよ。

国生みを上手にできない2柱は天の神々に助言を求めところ、女神であるイザナミではなく男神であるイザナギから声を掛ける必要があると教えてくれます。

そこで2柱はもう一度柱を周って出会い、今度はイザナギから声を掛け交わったところ、初めて神様と認識される淡路島が生まれます。その後も四国や九州などの8つの島々を生み、それから6つの小島を生んで日本を作っていきました。

櫻井

最初に8つの島々を生んだことから、日本は「大八島の国」と呼ばれるようになったとされていますよ。

日本を作った後はさまざまな神様を生んでいきますが、ここで大事件が起きてしまいます…。

ヒノカグツチ誕生によりイザナミが死亡

火の神様であるヒノカグツチを産んだことにより、身を焼かれたイザナミが死亡してしまいます

おたぬき

えぇ…!?

櫻井

この時、悲しんでいるイザナギの涙から香具山とナキサワメが生まれるんだよ。

おたぬき

こんな状況でも神様って生まれるんだ…。

怒ったイザナギはヒノカグツチを斬りますが、飛び散った血からも雷神であるタケミカヅチなどの神様が生まれてきます。

おたぬき

カオス…。

そして傷心の癒えないイザナギはイザナミのいる黄泉の国へ旅立ちます

イザナギが黄泉の国へ!

おたぬき

このシーン知ってる!
イザナミの役やりたい!

おたぬきが寸劇を行いたいようなので、イザナギとイザナミのやり取りを寸劇でお伝えします。

「櫻井=イザナギ」「おたぬき=イザナミ」だと思い、見てください…。

櫻井

イ..イザナミ…。私たちの国造りは終わっていない。
一緒に現世へ戻ろう。

おたぬき

ダメよ!!私はもう黄泉の国の食べ物を食べてしまったから帰れないの…!
あなたがもっと早く来てくれれば…。

おたぬき

ですが、黄泉の国の神様に戻れるか聞いてみます。
その間、決して私の姿を見てはいけませんよ…。

櫻井

おたぬき、ノリノリだな…。

どうしても姿が気になったイザナギは約束を破ってしまいます。イザナミの姿を見てみると…。

なんと、体にウジが沸いて、穴から8種類の雷神が生じていました!

驚いたイザナギは走って逃げます。それを見たイザナミは怒り、自分の部下であるヨモツシコメや雷神にイザナギを追いかけて殺すように命令します。

おたぬき

待て〜!

ついに雷神に追いつかれそうになった時、イザナギはたまたま生えていた桃を見つけ投げつけます。

すると全員、桃を追いかけてどっかに消えていきました。

櫻井

それに感謝したイザナギは、桃にオオカムズミと命名したそうです。

一説には、オオカムズミは後に桃太郎になると言われていますよ。

今度はイザナミが追いついてきましたが、ちょうど現世と黄泉の間である黄泉比良坂(よもつひらさか)だったので、大きな岩で間を閉じて追いつけないようにしました。

すると、岩越しに「そんな酷いことをするならあなたの国の人々を毎日1000人殺す」というイザナミの恨めしそうな声が聞こえてきたので、イザナギは「それならば毎日1500人産ませるまでだ」と言い返しました。

これが人口増加の起源とされています。

おたぬき

初代夫婦がこんなにお互いを憎むようになるなんて…。

三貴神の誕生

現世に戻ったイザナギは、黄泉の国で穢れた体を清めることにします。

川に行く途中、身につけているものを捨てていきますが、その捨てた物から神様が生まれていきます。

川で体を清めると穢れが取れ、その穢れから厄災を引き起こす神様ヤソマガツヒが生まれます。

また、左目を洗うとアマテラスが生まれ、右目を洗うとツクヨミが生まれ、鼻を洗うとスサノオが生まれました。

貴い神様を産んだことに喜んだイザナギは、アマテラスに高天原を治めること、ツクヨミには夜の世界を治めること、スサノオには海の世界を治めるように命じます。

おたぬき

生まれた瞬間に世界を統治するなんて、神様も大変だな〜

しかし、スサノオは母であるイザナミに会いたいと泣いてばかりで統治せず、さらには泣いている影響で周りの海や山は枯れ果て、悪霊が現れるなどの厄災を引き起こします…。

それに怒ったイザナギは、スサノオを追放します。そこで、母がいる黄泉の国に旅立つことにしますが、その前に姉であるアマテラスの元に挨拶へ向かいます。

アマテラスとスサノオの誓約

姉の元に向かうスサノオが歩くだけで山や川など国全体が振動します。その振動に高天原を奪うために戦争を仕掛けてきたと勘違いしたアマテラスは、訪れたスサノオに武器を突きつけます

おたぬき

挨拶に行っただけなのに…。

スサノオは本当のことを話しますが、アマテラスは信じてくれません。しまいには、「邪心が無いことを証明せよ」と言ってきます。

そこで、スサノオは証明するために誓ひ(うけい)をするように言います。

おたぬき

うけい?

櫻井

当時の占いのようなもので、事の吉凶や成否を知るために行っていたんだよ。

まずは、アマテラスがスサノオの剣を噛み砕き吹き出すと、後に宗像三女神と呼ばれるイチキシマヒメタキリビメタギツヒメの美しい女神が生まれます。

次に、アマテラスの勾玉をスサノオが噛み砕き吹き出すと、勇ましい男神が5柱生まれました。

これにスサノオは「女神たちは自分の剣から生まれたから私の娘だ。こんな清らかな女神を生んだ私に邪心があるわけない。」と言い、アマテラスを説得します。

それに納得したアマテラスは武器を納めたので、スサノオは母に会いに行くことを報告し、その場を立ち去ります…。

おたぬき

意外と簡単に納得してもらえるんだね。

スサノオが大暴れ!

立ち去っている途中、スサノオは挨拶に行っただけなのに武器を突きつけられ殺されそうになったことに段々腹が立ってきます。

おたぬき

たしかに、腹が立ってくるね!

そこで高天原にとどまり、田を壊したり、水を堰き止めるなどの大暴れしますが、アマテラスは咎めずに許します。

ついには、アマテラスが可愛がってい神衣を織る機織人のいる機織殿に皮を剥いた馬を投げ入れ、驚いた機織人は機織道具が体に突き刺さって死んでしまいます。

大事にしていた機織人が亡くなったことにショックを受けたアマテラスは、神の仕事を辞め、天の岩戸に隠れてしまいます。

おたぬき

えぇ〜そこまでは…。

アマテラスの天岩戸伝説

太陽神であるアマテラスが、誰も動かせないような大きな岩を動かして洞窟の中に閉じこもってしまったので、太陽が登らず、邪神が現れるなどの様々な災いが発生。

これに困った天の神々はアマテラスを外に出すための会議を行い、オモイカネという賢い神様の提案で宴を開催することになります。

アメノコヤネがアマテラスを褒め称えるような祝詞を唱え、アメノウズメが裸で踊った、それに歓喜した神々が歓声を挙げると、アマテラスが「なぜ、みんなはそんなに楽しそうなのか?」と問うた。

アメノウズメが「あなた様よりも尊い神様が生まれたので、みんなでお祝いしているのです。」と答えた。

アメノコヤネとフトダマが八咫鏡でアマテラスを映すと、光り輝いている神々しい神様がいることに驚いたアマテラスは岩戸を少し開けた

おたぬき

なんで、自分の姿を見て驚いているの?

櫻井

当時は鏡がなくて、神々しい神様が自分だと気づいていないんだよ。

その瞬間、アメノタヂカラオが岩戸を開けて引きづり出すことに成功し、アマテラスは神様としての仕事を再開します。

おたぬき

お〜!よかったね!

スサノオとヤマタノオロチ

騒動の原因を作ったスサノオに神々は怒り、スサノオの髪や眉毛を剃り、爪を剥ぎ、地上に落とします。

追放されたスサノオがお腹を空かせて彷徨っていると、オオゲツヒメという食べ物の神様に出会いました。

そこで、「食べ物はないか?」と問うと、鼻や口、お尻など様々なところから食べ物を出してくれましたが、汚い所から出した食べ物を食べさせるなんて嫌がらせではないかとスサノオは激怒し、殺してしまいます。

櫻井

殺されたオオゲツヒメの体からいろんな五穀が生まれ、それが人間の食べ物になったとされていますよ。

結局、何も食べれなかったスサノオは川からお箸が流れてくるのが見えて、上流に向かうことにします。

上流では、お爺さんとお婆さん、美しい少女が泣いていました。泣いている理由を問うたところ、「私たち夫婦はアシナヅチテナズチで、娘はクシナダヒメでございます。もともと娘は8人おりましたが、高志に住んでいるヤマタノオロチが毎年襲ってきて、娘を1人づつ食らっていきます。もうすぐヤマタノオロチが襲ってくる時期で、最後の娘であるクシナダヒメも食べられてしまうのが悲しいんです。」

それを聞いたスサノオはヤマタノオロチを倒すことにし、どんな姿か聞きます。

「目が真っ赤で、胴体一つに八つの頭と尻尾を持っており、山くらい大きい体には杉の木が生えており、八つの谷と八つの峰に渡る長さで、腹を見ると血が滲んで爛れているような大変恐ろしい姿をしています。」

そこで、ヤマタノオロチを倒したらクシナダヒメを妻としてもらうことを条件に、クシナダヒメを櫛に変えて頭に挿し、一緒に討伐に向かいます。

老父の言う通り、ヤマタノオロチに大量の酒を飲ませ、寝ている隙に切り倒します。尻尾を切ると立派な剣がありました。

この立派な太刀をアマテラスに献上すると、怪物を倒して立派な剣を納めたスサノオは改心したんだと思いアマテラスは許します。

櫻井

この献上された剣は、後に三種の神器と言われる草薙の剣ですよ。

クシナダヒメとスサノオは出雲の須賀に宮殿を建て、結婚し、子神を生みます。その後、オオヤマツミの娘であるカムオオイチヒメを二番目の妻に向い入れ、オオトシウカノミタマも生みます。

そして、時代は流れスサノオの6代後の子孫オオクニヌシの話…。

オオクニヌシと因幡の白兎

オオナムチは末っ子で兄神たちからいじめられており、因幡の国にいる美しい女神であるヤガミヒメに兄弟揃って求婚しに行くための旅で全員の荷物を持たされていました。

おたぬき

オオナムチ

櫻井

オオクニヌシの昔の名前は、オオナムチという名前だったんだよ。

旅をしていると、先頭の兄神たちが道で毛が剥がれ横たわっている兎を見つけます。兎が助けを求めてきたので、兄神たちは笑いながら、塩水で体を洗い山で風にあたれば治ると教えます。

兎は言われた通りにしますが、怪我がひどくなるだけで治りませんでした。そして、また道で横たわって泣いていると、今度はオオナムチに会います。

オオナムチが兎にどうしたのか尋ねると

「兎とワニどちらの数が多いか競い合おうとワニに勝負を持ちかけ、ワニを島まで一列に並べさせて、数を数えるふりをしながらワニの背を渡ってこの島に来ました。しかし、嘘がバレて怒ったワニに皮を剥がされたので、いろんな人に助けを求めましたが、嘘をつかれて余計に傷がひどくなりとても痛くて苦しいです。どうか助けてください。」

おたぬき

自業自得だった…。

これを聞いたオオナムチは、真水で洗ってガマの花粉を体につければ治ると教えてあげます。

助けた兎に傷が治ったお礼に「あなたがヤガミヒメと結婚する」と予言されます。

なんと、この兎はヤガミヒメの友達でした!

兎は兄神よりも先にヤガミヒメに会い、事の顛末を報告します。

そして、ようやくヤガミヒメの元にたどり着いた兄神はプロポーズを断られ、オオナムチと結婚すると言われました。

それに怒り狂った兄神達はオオナムチを殺そうと、赤い猪がいて危ないからオオナムチが捕まろと命令し、猪に似た形の大石をグツグツに焼いて、オオナムチに向けて転がり落としました。

これによりオオナムチは焼き殺されてしまいますが、嘆き悲しんだオオナムチの母は造化三神に救いを求め、カミムスヒの力でオオナムチを生き返します。

おたぬき

生き返った!?

兄神達はオオナムチが生き返ったので今度は、薪を真っ二つに割り広げて、その間にオオナムチを入れ、挟み殺しました。

それに悲しんだお母さんは、木からオオナムチを取り出して自力で復活させました。

おたぬき

えっ?お母さんすごくない!?

このままでは殺され続けると危惧したオオナムチは、先祖のスサノオがいる根の国に助けを求めに行きます…。

オオクニヌシとスセリビメの結婚

オオナムチが根の国に着くと、美しいスサノオの娘スセリビメに出会い、互いに一目惚れしてその場で結婚しました。

おたぬき

あれ?ヤガミヒメとの結婚は?

そこで、スサノオに結婚の挨拶に行くと、毒蛇だらけの部屋に案内されます。

困っているオオナムチにスセリビメは、蛇が退散するヒレを渡して助けます。また次の日は、ムカデと蜂のいる部屋に入れられ、またスセリビメに助けてもらいます。

そんなスサノオの嫌がらせを受けていると、スサノオに広い野原に呼ばれ、放った矢を拾いに行けと命令されます。

取りに行くと、今度は火を放たれてしまいました!

おたぬき

どこでもいじめられて大変だな…。

絶体絶命のピンチに困っていると、ネズミが現れて落とし穴の存在を教えてくれます。しかも、そのネズミが矢を取ってきてくれました。

こうして、矢を持って帰ってきたオオナムチに対して、スサノオは今度は髪についているムカデを取るように命令します。

ムカデを取っているとスサノオが寝たので、髪の毛を柱に縛り、スサノオの宝物である太刀と弓矢と琴を持ってスセリビメと逃亡。

逃走の途中で琴が鳴ってしまい、スサノオに追いかけられますが、黄泉比良板まできて逃げることに成功。そんな逃げたオオナムチにスサノオは、「お前の持っている太刀と弓矢でお前をいじめた兄神達を追い払い、オオクニヌシと名乗れ。そして、私の娘であるスセリビメと結婚して、豪華な宮殿を建ててそこに住め!」と最後に言いました。

櫻井

一説によると、今までの嫌がらせはオオナムチを成長させるためにやったのではないかと言われているよ。

おたぬき

スサノオって良い奴だね!

そして現世に戻り、スセリビメとヤガミヒメとも結婚するが、嫉妬深かったスセリビメは子供を置いて帰ってしまいます。

そこから、オオクニヌシは日本全国の国々を旅して、いろんな人と結婚します。

宗像三女神の1柱であるタキリビメと結婚し、アジスキタカヒコネとシタテルヒメを生み、カムヤタテヒメとの間にはコトシロヌシを生みました。

日本全国を巡り歩いているオオクニヌシの前に、旅を共にすることになるスクナビコナが現れます…。

櫻井

スクナビコナは、一寸法師ともいわれているよ。

おたぬき

日本昔話に出てくる体の小さい人だね!

スクナビコナ登場!

目の前に木の実を船にし、蛾の皮を服にしている神様が現れ、その異様ない出で立ちにオオクニヌシが周りの神々に何者か確認したが誰も知らなかった。

そこで、蛙に聞いたところ「カカシなら知っているかも」と言われたので、カカシに聞くとスクナビコナというカミムスビの子神であることを知る。

しかし、どうしても信じられなかったオオクニヌシはカミムスビに確認しに行くと本当に実子でした。

おたぬき

一寸法師って神様の子供だったの!?

カミムスビはスクナビコナに「お前はオオクニヌシの兄弟となって一緒に国造りをしなさい」と言います。

そうしてオオクニヌシとスクナビコナは、一緒に旅をしながら人間に農業や医療に関する知識を与えていき、イザナギとイザナミができなかった国造りを行いました。

しかし、ここである問題が起きてしまいます。

おたぬき

なになに?

突然、スクナビコナが国に帰ってしまいました!

一緒に国造りをしてくれる神様はいないか困り果てていたオオクニヌシの前に突然、海上を照らして近寄ってくる神様がいました。

そして「私の魂を大和の山の頂上に清めて祀りなさい。そうすれば、あなたの国造りに協力しましょう。」と言ってきたので、その通りにして一緒に国造りを行うことにします。

オオクニヌシと出雲の国譲り

オオクニヌシが順調に国造りをしているのを見たアマテラスは、かつてスサノオとの誓ひで産んだ男神5柱の長男であるアメノオシホミミに「地上は自分の息子であるお前が統治すべきだ」と派遣しますが、地上の様子を見たアメノオシホミミは、騒がしい地上が嫌で行きたくないと言います。

そこで天の神々は誰を行かせるか相談し、次男であるアメノホヒを派遣します。しかし、アメノホヒはオオクニヌシの部下になり戻ってきませんでした。

次にアメノワカヒコを派遣しますが、地上の主になろうとシタテルヒメと結婚してしまい戻ってきませんでした。これに怒った天の神々はアメノワカヒコを矢で貫き殺してしまいます。

おたぬき

みんな行きたくないと言ったり、寝返ったり、反逆したり自由人だな〜

次に派遣されたタケミカヅチは、大地に剣を逆さまに刺して先端に座ってオオクニヌシに国を明け渡すように命令します。

そこで、オオクニヌシは息子のコトシロヌシに聞くように言い、コトシロヌシは明け渡すことに賛成。次に、息子であるタケミナカタにも意見を聞くように言うと、タケミナカタはタケミカヅチに力比べを申し出ます。

しかし、タケミナカタはタケミカヅチのあまりの強さに諏訪に逃げて封印されてしまいます。

これに、オオクニヌシは国を明け渡すことを了承しますが、条件として出雲に立派な宮殿を建てて管理するように言い、オオクニヌシはそこで隠居します。

櫻井

これが出雲大社の由来ですよ。

天孫降臨

国譲りを成功させたアマテラスは、アメノオシホミミに地上を納めなさいというが、地上が苦手なアメノオシホミミは自分の息子であるニニギに統治を任せることにします。

ニニギが地上に降りている最中、天界と地上を照らしている名も知らない光輝く神がいて全員が驚きました。そこで、アメノウズメに誰なのか聞いてきてもらうと、サルタヒコという神であり、天の神が地上に降りられると噂で聞いたので道案内しようと待っていたと答えました。

おたぬき

わざわざ道案内するために待っていてくれたなんて優しいな。

ニニギがサルタヒコの案内により地上に降りると、コノハナサクヤヒメという美しい娘に出会い求婚しますが、父であるオオヤマツミの返答を待ってほしいと言われます。

コノハナサクヤヒメがオオヤマツミに確認したところ、アマテラスの孫との結婚に大変喜び、姉のイワナガヒメも一緒に嫁がせることにします。

しかし、ニニギは美人とはいえないイワナガヒメとの結婚を断ります。これにオオヤマツミが激怒。

「コノハナサクヤヒメは永遠の繁栄を願って、イワナガヒメは永遠の命を願って嫁がせたのに、イワナガヒメがいらないということは永遠の命は要らないということですね。」と言い、ニニギに呪いをかけて永遠の命を奪ってしまいました。

その後、結婚したコノハナサクヤヒメに子供ができたことを知ると、一回しか行為をしていないため、地上の神との子供ではないかと自分の子供か疑い責めます。

おたぬき

なんか、ニニギってひどい男だな!

コノハナサクヤヒメは自身の潔白を証明するために、産屋を作り、火をつけ、その中で出産しました。

そして炎に包まれる中、ホデリホスセリホオリが生まれ、「こんな状況で無事に生まれる子供は天の神の子でしかない」と伝え納得させました。

ホデリとホオリ

時は何年か経過…。

ホデリは何でも釣れる釣り針を持っていて、ホオリは何でも仕留められる弓矢を持っていました。ある時、ホオリはお互いの道具を交換することを提案します。

ホデリは3度断りますが少しだけ貸すことを許可します。しかし、ぜんぜん釣れません。しまいには、釣り針を無くしてしまいました。

ホオリは大切な十束剣を1000個の釣り針変えて許しを乞いましたが、許してもらえませんでした。

許してもらえず浜辺で泣いていたホオリの元にシオツチが現れたので事の顛末を話すと、海の世界へ行く方法を教えるので海の神様に相談すれば良いと教えてもらいます。

ホオリとトヨタマヒメ

海の世界に着いたホオリはトヨタマヒメに出会い、互いに一目惚れして結婚します。

3年後、ホオリはホデリの釣り針を探しに海の世界に来たことを思い出します。

おたぬき

遅っ…!!

トヨタマヒメに相談すると海の生物を集め聞いてくれ、赤鯛の喉に引っかかっている釣り針を見つけました。

釣り針が見つかったホオリは返すためにホデリの元に帰ることにしますが、海の神様に

「釣り針を返す時に呪いを唱えながら返し、ホデリが低い所に田んぼを作るなら高い所に、ホデリが高い所に作るなら低い所に田んぼを作りなさい。そして、ホデリが貧しくなりあなたを恨んで攻めてきたら、どこでも潮水を発生させられる潮満珠で溺れさせ、許しを請うてきたら潮涸珠で潮水を引かせなさい。」

おたぬき

海の神様なんで…。

地上に戻ったホオリは呪いを唱えながらホデリに釣り針を返し、田んぼを作った。するとホデリの心はだんだん貧しくなっていき、田んぼも上手くいかないことから苛立ちを覚え、ホオリに争いを仕掛けますが打ち返され、ホオリ部下になります。

おたぬき

発端はホオリがホデリの釣り針をなくしたことなのに…。
ホデリ不憫…。

櫻井

ホオリの子孫は天皇になっていくのですが、ホデリの子孫は天皇に従える「隼人」と言う存在になっていくんだよ。

ホデリを倒したホオリの元にトヨタマヒメが現れ「ホオリは天の神様の子孫なので、その子供を海で産むのは良くないと思い地上に来ました。海の神は出産の際に本来の姿に戻るので、絶対にその姿を見ないでください。」と言います。

しかし、産屋の屋根が完成する前にトヨタマヒメが産気づいたので、気になったホオリは上から覗いてしまいます。

するとそこには大きなワニの姿をしたトヨタマヒメが!

覗かれたことを恥じたトヨタマヒメは子供を置いて海の世界に戻り、ホオリが海に行けないように結界を張りました。

ウガヤフキアエズとタマヨリヒメ

子供のウガヤフキアエズを不憫に思ったトヨタマヒメは、妹であるタマヨリヒメを養育係として地上に遣わし、いつしかウガヤフキアエズはタマヨリヒメを好きになり結婚します。

2柱の間に生まれたイツセとイワレビコは、どのように天下を取れるか相談した結果、祖先のニニギが降り立った高千穂の地ではなく、大和の地で政治を行う必要があるのではないかと考え目指します。

しかし、大和の地に着くとナガスネヒコをトップとする大和の軍勢が待ち構えており、弓を飛ばしてきました。イツセは弓が刺さって亡くなってしまいます。

これに、太陽に向かって歩いてはパワーが半減するので、太陽を背負って進まなければいけないことに気づき、イワレビコは大和を超えて、太陽を背負った状態で大和に向かうようにすることにしました。

おたぬき

太陽を前にすると神様ってパワーが半減するんだ!

イワレビコの東征

イワレビコが森を進んでいると熊に会い、いつの間にか気絶してしまいました。

気絶から起きると知らない男が太刀を渡してきたので振り回し熊を倒すと、邪気がなくなり全員が起き上がりました。

訳が分からずその男に状況を聞くと、

「私はタカクラジと申します。ある夜、夢の中でアマテラスとタカムスビが子孫のイワレビコの危機的状況について会議をしていました。最強の雷神であるタケミカヅチを地上に行かせることになりましたが、タケミカヅチは太刀をタカクラジという男の蔵に置いてイワレビコに渡さることを提案したのです。しかも、夢の中なのにタケミカヅチと目が合い、夢から起きたら絶対に取りに行きなさいと言われました。そこで蔵に確認に行ったところ、実際にあったので献上しに来ました。」

また、アマテラスは山道には恐ろしい悪神がいるので、導いてくれるヤタガラスも送りました。

ヤタガラスの導き

このヤタガラス、道案内するだけではなく、道中にある村や国にイワレビコに従えるよう交渉して仲間をまで作ってくれました。

おたぬき

なんて優秀!

様々な場所で交渉に成功していたヤタガラスですが、エウカシとオトウカシという兄弟には断られてしまいました。

さらに、エウカシはイワレビコを暗殺する計画まで立てます。

しかし、オトウカシが天の神様の子孫を殺すのはまずいのではないかとイワレビコに告げ口し、暗殺がバレたエウカシは死んでしまいます。

その後、イワレビコはナガスネヒコを打ち倒し大和に辿り着きますが、大和を支配していたのがニギハヤヒという自分と同じ天の神様であることを聞きます。

本当に天の神か確かめに会いに行ったところ本当に天の神様だったので、大和をどういうふうに治めているのか聞きます。

すると、「私はあなたのご先祖様であるニニギ様が地上に降りる話を聞いたので、後を追って来ました。しかし、ニニギ様と違う場所に降りてしまい、どこにいるかも分からなかったので、とりあえず大和を支配してました。もちろんあなた様にお譲りします。」

おたぬき

ニギハヤヒって面白い神様だね。

神武天皇の即位

こうして、イワレビコは大和で天下を治めることになり、初代天皇である神武天皇と呼ばれるようになります。

櫻井

これが神武天皇の誕生だよ!

以上、誰でも理解できるように『古事記』の全体像をストーリーを追いながら解説してきました。

ここまでのエピソードを覚えておくだけで、日本神話の初心者を脱出することができ、友達などに聞かれた時にも自信を持って話すことができるでしょう。

また、神社参拝するとき、ご祭神のエピソードを覚えておくだけで、よりその神社への愛着が湧いてくると思います。

一回で全てを覚えるのは難しいので、ぜひ繰り返し何度も読んでいただければ幸いです!

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