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歴史から抹消された女神瀬織津姫[セオリツヒメ]の謎
おたぬきは、歴史から抹消された神様って知ってる?
ん?歴史から消された神様?
そう。瀬織津姫[セオリツヒメ]っていう神様なんだけど、とても強い力を持った神様なのに何故か『古事記』にも『日本書紀』にも登場しないんだ。
もともと神社で祀られていたはずなのに、意図的に情報を消されたなんて噂も・・・
何それ!すっごい気になる!
今から瀬織津姫について詳しく解説していくね!
瀬織津姫[セオリツヒメ]とは?
瀬織津姫[セオリツヒメ]という神様をご存知でしょうか?
神社やスピリチュアル関連に精通している人は知っているかもしれません。知らない人も覚えていないだけで、きっとどこかで1度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
たぬき、聞いたことないよ。
おたぬきが知らないだけで、実は聞いたことあるんだよ。
えっ!そうなの!?
ほとんどの人が聞いたことあるはずの名前なのに、知っていると答える人はほとんどいない不思議な神様。
そんな、セオリツヒメについて解説していこうと思います。
『古事記』『日本書紀』には一切登場しない
セオリツヒメは神様の中でも重要な力を持つ存在です。
日本の神社には、実はご祭神として瀬織津姫を祀る神社が数多く存在しており、スピリチュアル界ではセオリツヒメの名前を知らない人はいないほど、その存在がブームになっています。
それにもかかわらず、『古事記』と『日本書紀』には一切登場しません。
不思議だね…
記紀に登場しない神様なのに、なぜ「1度は聞いたことあるはず」なのか。
それは、皆さんに馴染み深いあるものに登場しているからです。
なんだろう…
六月晦大祓に名前が登場する
セオリツヒメは『六月晦大祓』に登場しています。
六月晦大祓とは、6月と12月末日に行われる大祓の際に、人々の罪や穢れを祓うために唱えられる祝詞のことですよ。
『六月晦大祓』では、祓戸四神(はらえどよんしん)という神道において穢れを払う神様とされている4柱が登場しますが、セオリツヒメはその一番最初に登場する水の神様です。
祝詞の内容
高天原という神の国から天孫降臨された瓊瓊杵尊は、大和の国を平和に治めるだろう。
しかし、大和の国には今後様々な罪や穢れが生まれるだろう。
もし罪を犯した者が現れたら、この祝詞を天に向かって唱えよ。
その祝詞を唱えれば、天の神々は岩戸を開け、たなびく雲をかき分け、祝詞をお聴きになるだろう。
そうすれば、瀬織津姫がそれらの罪を大海原に流してくれるでしょう。
そして、速開都比売神が罪を飲み込み、気吹戸主神が罪を吹き払い、速佐須良比売神がその罪を封じてくれるでしょう。
罪が消えていくんだね〜
人々の罪穢れを川から大海原へ流す力を持っている水神
祝詞から祓戸四神について以下にまとめました。
- 瀬織津姫[セオリツヒメ]
- 山の頂上から落ちる滝の凄まじく流れが早い川の瀬におり、様々な罪や穢れを川から大海原へ流す神様
- 速開都比売神[ハヤアキツヒメ]
- 河口や海の底におり、セオリツヒメが流した様々な罪や穢れを飲み込む神様
- 気吹戸主神[イブキドヌシ]
- ハヤアキツヒメが罪や穢れを飲み込んだことを確認し、根の国や底の国に吹き払う神様
- 速佐須良比売神[ハヤサスラヒメ]
- 根の国や底の国に持ち込まれた様々な罪や穢れを持ち去り完全に封じ消し去る神様
祝詞により、セオリツヒメは川や滝を司り、水を操って人々の罪や穢れを消し去ってくれる力の強い水神様だということが分かります。
また、祓戸四神が登場する大祓詞は神道において最強の祝詞として有名なので、セオリツヒメがいかに強い力を持った神様なのかが分かります。
セオリツヒメは水神の他にも、〇〇や〇〇の化身と言われているんだよ。
なにそれ!気になる!
白蛇・白龍の化身
セオリツヒメは龍神(白龍)の化身とも言われています。
古来より水神は龍と関連付けられてきました。
「竜」や「龍」といった「りゅう」という漢字に水を表す「氵(さんずい)」を付けると、「滝」や「瀧」といった「たき」という漢字になります。このことから、水神と龍神に関係性があることが分かります。
ほんとだ!
また、セオリツヒメは白蛇の化身とも言われています。
全国にセオリツヒメをご祭神として祀っている神社は多くありますが、そのどれにも共通している点があります。
それが、「セオリツヒメは白蛇である」という伝承が古来より伝わっているという点です。
各地で言われているなら、「セオリツヒメ=白蛇」はほぼ確定だね!
例えば、神奈川県にある深澤銭洗弁財天の由来書には「瀬織津姫は白蛇の化身である」と書かれています。さらには、岩手県にある桜松神社では、白蛇と共に瀬織津姫が祀られています。
こんなすごい神様…
なんで今まで知らなかったんだろう…
封印された神様
様々な神社には祀られている痕跡はあるのに、『古事記』や『日本書紀』には登場せず『六月晦大祓』にか登場しないセオリツヒメは、記紀を編纂する際に意図的に「封印された」と噂されています。
誰が封印したの?なんで封印したの?
すごい気になる!!
おたぬき落ち着いて!!
その点も含めて解説していくから!
セオリツヒメの存在が日本神話から消された理由には、古事記が編纂された頃の天皇である持統天皇が深く関わっているとされています。
しかし、約1300年前に即位した天皇の影響が現在まで続いているのはどこかおかしい…。現代もセオリツヒメが秘匿されているのは、その他の要因があるのではないか…。このように考える人も多いようです。
なぜ、セオリツヒメは封印されなければならなかったのか?
セオリツヒメがどんな神様なのか紐解きながら解説していきます。
セオリツヒメの深い情報を知りたい方は、最後まで読んでいただけたら嬉しいです。
早く教えてよ〜!
セオリツヒメは様々な神々と同一視されている
- 弁財天
- アマテラス
- タカオカミ
- ミツハノメ
- イチキシマヒメ
セオリツヒメと同一視される神々については後ほど詳しく解説していきます。
瀬織津姫[セオリツヒメ]が祀られていた痕跡のある神社
①伊勢神宮(三重)
伊勢神宮では主祭神としてアマテラスの魂が二つに分けられて祀られており、正宮では神の穏やかで調和的な側面である和御魂(ニキミタマ)が、荒祭宮では神の勇ましく荒々しい側面である荒御魂(アラミタマ)が祀られています。
なんで、アマテラスがセオリツヒメと関係しているの?
荒祭宮には、伊勢神宮外宮の神官である度会行忠が1200年代に書いたとされる『大和姫命世紀』や『伊勢二所皇太神宮御鎮座伝記』、鎌倉時代の書物『中臣祓訓解』が保管されており、それらにはセオリツヒメに関する以下の内容が記載されています。
伊勢神宮に祀られているアマテラスの荒御魂には「セオリツヒメ」という別の呼び名があります。
また、鎌倉時代に編纂された神道書である『倭姫命世記』には、アマテラスの荒御魂とセオリツヒメを同一視している記載も確認されています。
②廣田神社(兵庫)
兵庫県最古の神社であり日本書紀にも登場するほど歴史ある廣田神社でも、アマテラスの荒御魂は祀られています。
現在では主祭神がアマテラスの荒御魂とされていますが、戦前に作成された神社の由緒書きにはセオリツヒメが主祭神であると記されているんです!
このことからも、やはりセオリツヒメは何かの思惑によって存在を隠されているのかもしれません。
名前が書き換えられることなんてあるの!?
③和布刈神社(福岡)
和布刈神社の由緒書きにもセオリツヒメはアマテラスの荒御魂であると以下のように記されています。
御祭神には、天照大神の荒御魂「撞賢木厳之御魂天疎向津媛命[ツキサカキイツノミタマアマサカルムツカヒメ]」。別称、「瀬織津姫[セオリツヒメ]」という月の神様であり…。
以上の3社から、「アマテラスの荒御魂=セオリツヒメ」の確信度がかなり高まってきたのではないでしょうか。
なんでセオリツヒメって名前書き換えられたりされてるの?
それは時の権力者の力が関係してるのかもね。
そのことについて解説する前に、封印の謎について紐解くために必要な『ホツマツタエ』について紹介していくね。
『ホツマツタエ』における瀬織津姫[セオリツヒメ]
セオリツヒメは『ホツマツタエ』に登場しています。
ホツマツタエ?
神代文字の一種であるヲシテ文字で書かれた古史古伝の1つだよ。
『ホツマツタエ』にはアマテラスも登場しており、アマテラスはアマテルカミと呼ばれ、女神ではなく男神として登場しています。
男神!?
記紀と全然違うじゃん!
アマテルカミには12人の妻がおり、その中で最も純粋で慈しみ深い女神であるセオリツヒメを正室にしたと記されています。
その溺愛ぶりはすごく、普段は宮殿に降りないアマテルカミが自ら宮殿の階段を降りてセオリツヒメの手を取るほど!
そんなセオリツヒメは、天を降らせたということで「アマサガルヒニムカツヒメ」と呼ばれるようになったとされています。
なお、『ホツマツタエ』は一般的には偽書と言われているため信憑性は低いように思われます。
しかし、セオリツヒメが主祭神として祀られていた廣田神社の伝承では、
主祭神はアマテラスの荒御魂。またの名を、アマサカルムカツヒメノミコト。
と記されているんです!
あれ?
さっき紹介された和布刈神社でも同じこと書いてなかった…?
偽書とされているのに、神社の伝承と一致している…。
「これは本当のことではないのか…」と考える方が多いのも頷けます。
他にも、祇園祭の岩戸山という山鉾に飾られているアマテラスは男神の姿ですし、高野山の曼荼羅に描かれているアマテラスも男神として描かれています。
そもそも、陰陽思想では「陽」は男性を象徴しており、古今東西の太陽神は男性とされていることが多いです。そう考えると、アマテラスが女神であることの方が不思議です..。
アマテラスが男神であることが、セオリツヒメが歴史から抹消された理由に繋がってくるのかもね。
そうなの?
なんだろう〜
瀬織津姫[セオリツヒメ]が封印された理由
セオリツヒメの存在が日本神話から消された理由やアマテラスが女神とされている理由には、『古事記』が編纂された頃の天皇である持統天皇が深く関わっているとされています。
持統天皇の時代、藤原氏が強大な力を持っており天皇家の権力が弱まっていました。そこで、女性である持統天皇は八百万の神々の最高神に位置するアマテラスを女神とすることで正統性を示そうとした…と考える研究者もいるようです。
「アマテラスは女神である」としたい持統天皇にとって、正室であるセオリツヒメは都合が悪い存在のため、意図的に消したのではないかとされています。
セオリツヒメが消された背景にはそんな理由があったんだ!
ですが、持統天皇はもともと自分の息子である草壁皇子を即位させるために奔走しており、草壁皇子が病死した後は草壁皇子の息子が幼かったため、仕方なく自分が天皇になったという経緯があります。
もともと自分が天皇になろうと思っていなかったのであれば、わざわざアマテラスを女神として改竄する必要がありません。
また、古事記の編纂が完了したのは天皇が亡くなった後であり、690年に即位していた1人の天皇の意思が現在までずっと続いているのはどうもおかしい…。
そのため、アマテラスを女性にするために女神にしたのではなく、セオリツヒメに何かしら抹消しなければいけない要因があり、セオリツヒメを抹消するためにアマテラスは女神にされたのではないかとも考えられています。
まだ何か理由があるの?
早く教えてよ〜
もう少し待ってね。
順を追って説明していくね。
『正統竹内文書』における瀬織津姫[セオリツヒメ]
アマテラスが男神であることは、神代文字で記された古代の文書である『正統竹内文書』でも以下のように記載されています。
アマテラスは「アマテラスクニテラスヒコアメノホアカリクシタマニギハヤヒノミコト」という男神である
この名前から、「アマテラス=アメノホアカリ=ニギハヤヒ」ということが分かります。
また、ニギハヤヒの子孫が宮司を務める籠神社の絵馬にはアメノホアカリが描かれており、その后としてイチキシマヒメが描かれています。
イチキシマヒメはセオリツヒメと同一神と言われているので、やはりアマテラスは男神であり、その正室がセオリツヒメであるといえるでしょう。
セオリツヒメってすごい地位の高い神様なんだね!
瀬織津姫[セオリツヒメ]と蛇神・龍神の関係性
最初に、セオリツヒメは白蛇の化身であると説明しました。
蛇神は古来より世界各地の古書に登場する神で、悪い神とも良い神ともされています。どちらにせよ、強い影響力を与える存在として世界各国で信仰されています。
そんな蛇神は日本では「宇賀神[ウガジン]」と呼ばれており、室町時代に編集された『塵添壒嚢鈔』では以下のように記されています。
『塵添壒嚢鈔』の内容
天女が水浴びをしていると、老夫婦に衣を隠され帰れなくなりました。
そこで、天女は万病に効く酒を作って老夫婦に富をもたらしました。
しかし、翁に追い出されてしまった天女は奈具という土地に辿り着き、宇賀女神として祀られました。
この宇賀女神は蛇に姿を変えることができたとされているんだよ。
セオリツヒメと一緒だね!
この物語は、女神豊受大神[トヨウケノオオミカミ]の話と完全に一致しています。
トヨウケノオオミカミも老夫婦に機織りや酒造りの技術を教え、追い出された後は奈具の地に辿り着いたとされています。
また、神名の「宇賀」は「宇迦之御魂神[ウカノミタマ]」が由来とされており、ウカノミタマはトヨウケノオオミカミと同一神とされていることから、「ウガジン=トヨウケノオオミカミ=ウカノミタマ」ということが分かります。
ウカノミタマも蛇神だったんだ!
日本で信仰されている他の蛇神についても見ていこうか!
その他の日本神話における蛇神
日本で最も有名な蛇神はオオモノヌシであり、日本書紀では以下のように記されています。
日本書紀の内容
オオモノヌシの妻であり崇神天皇の娘であるマトトモモソヒメノミコトは、真夜中の顔が見えない時にしか来ないオオモノヌシに「どうか顔を見せてください。」と伝えます。
オオモノヌシは「あなたの櫛入れに入っているので開けてみてください。しかし、1つだけ約束があります。どんな姿でも驚かないでくださいね。」
箱を恐る恐る開けたマトトモモソヒメノミコトは、中にいる小さな蛇を見て悲鳴をあげてしまいます。
すると、オオモノヌシは美青年になり「驚かないと約束したのに驚いてしまいましたね。」と言い残し、空に飛んで三輪山に帰ってしまいました。
それにショックを受けたマトトモモソヒメノミコトは、お箸で自分の陰部を突き刺して亡くなってしまった。
オオモノヌシも蛇神だったの!?
また、オオモノヌシが祀られている大神神社では蛇の好物である卵をお供えする習わしがあり、これらのことからオオモノヌシは蛇神であるということが分かります。
また、オオクニヌシも蛇神とされています。
オオクニヌシは島根県の出雲大社にて祀られており、毎年10月には日本中の八百万の神様を出雲大社に集めて今後の世界について会議を行います。
その会議の際、日本中の神様を出雲大社まで案内するのが龍蛇神[リュウジャシン]と呼ばれる神様であり、その神様がオオクニヌシのことではないかとされています。
オオクニヌシの名前であるオオナムチは、大きな穴から現れた蛇が由来とされているため、龍蛇神はオオクニヌシであると言われているのです。
また、オオクニヌシの息子であるタケミナカタが祀られている諏訪神社では御神体が蛇であり、室町時代に編纂された書物である『太平記』では、タケミナカタの化身である大蛇の姿を見たというエピソードがあります。
ここまでで一旦、出てきた神様を整理してみます。
何が出てきたっけ?
たくさん出てきて忘れちゃった…。
これまでの話で、「ウカノミタマ」、「オオモノヌシ」、「オオクニヌシ」、「タケミナカタ」の4柱が出てきました。
一見すると共通点がなさそうな神様ですが、実は共通点があります。
- ウカノミタマ:秦氏から伝わるユダヤ神
- オオクニヌシ:中東からやってきたユダヤ人
- タケミナカタ:ユダヤ人(オオクニヌシ)の息子
- オオモノヌシ(ニギハヤヒ):ユダヤ神であるアメノホアカリと同一神
上記のように、日本の蛇神はすべてユダヤにルーツを持つ神様であると指摘する研究者もいるとか。
すごい!大発見だ!!
でも、なんでユダヤ?
蛇神は共通してユダヤにルーツがある
ユダヤ教の正典である『旧約聖書』において、蛇はアダムとイブを唆す悪い存在として登場しています。
また、ユダヤ教の聖典である『タルムード』でも、蛇の正体は人間に嫉妬したサタンであるとされています。
このことから、ユダヤ教において蛇は悪い存在であることが分かりますが、それなのにユダヤ人が日本に蛇神を持ち込んだのは一体どういうことでしょうか?
日本に悪い存在をもたらそうとしたのか?
ユダヤ国には12の氏族が存在しており、その内の1つが祭祀を取り仕切るレヴィ族でした。そんなレヴィ族は、海の怪物であり悪魔とされているレヴィアタンを賢い蛇神として崇拝していました。
紀元前6世紀頃に書かれた聖書である『イザヤ書』では、以下のように記されています。
ユダヤの民は国を追われるだろう。これからは東の地で主を崇めよ。
実際、ユダヤ人は母国を追われています。その際に、聖典の教え通りに東を目指したレヴィ族が日本にたどり着いたのではないかとされています。
そして、蛇神を崇拝していたレヴィ族が日本にたどり着いたことで、日本の蛇神がユダヤにルーツを持っているのではないか?だとすれば、蛇神とされているセオリツヒメもまたユダヤにルーツがある神様なのではないか?…と連想が膨らみます。
セオリツヒメ、ますます謎が深まるね…。
『倭姫命世記』『伊勢二所皇太神御鎮座伝記』における瀬織津姫[セオリツヒメ]
『倭姫命世記』『伊勢二所皇太神御鎮座伝記』『中臣祓訓解』などには以下のようなことが記されています。
伊勢神宮荒祭宮の御祭神の別名を「セオリツヒメ」そして「ヤソマガツヒノカミ」とする。
また、江戸時代の文献学者である本居宣長もヤソマガツヒノカミとセオリツヒメを同一の存在としています。
他にも、福岡県にある宇奈己呂和気神社では、ヤソマガツヒノカミをセオリツヒメと同一の存在として祀っています。
これらのことから、「セオリツヒメ=ヤソマガツヒ」ということが分かます。
しかし、ヤソマガツヒは様々な厄災を引き起こす神様であり、罪や穢れを洗い流すセオリツヒメとは全く違う性質を持つ神様です。
では、なぜ同一神だとされているのでしょうか?
なんで?
先ほど、「蛇神は古来より世界各地の古書にて、悪い神とも良い神ともされています。」と伝えましたが、蛇神とされているセオリツヒメもまた良い面と悪い面の2つの側面を持っているのは当然ではないでしょうか。
瀬織津姫[セオリツヒメ]には二つの側面がある
旧約聖書をはじめ、ネイティブアメリカンのポピ族の口伝や、ギリシャ神話、マヤ神話など世界のあらゆる神話にはある共通するエピソードがあります。それが、
傲慢になった人類に怒った神々が大洪水、大噴火、大地震などのあらゆる自然災害で人類を滅ぼすだろう。
日本神話では人類が滅ぼされるエピソードはありませんが、セオリツヒメが洗い流せないほどの罪や穢れが起きた時、怒ったセオリツヒメはヤソマガツヒメノカミになり、人類を滅ぼすためにあらゆる自然災害を引き起こすのではないかとされています。
つまり、セオリツヒメの力に恐れた人々が、自然災害を起こさせないために封印したのではないか?
そう考えれば、持統天皇が亡くなり1300年以上経っている現代でもセオリツヒメが封印されていることに納得がいきます。
なるほど!
これが、現代まで封印され続けている理由なのか!
封印された理由は分かったけど、まだセオリツヒメがどんな神様か分からないな。
そしたら、記紀や古史古伝ではなく、映画という別の観点からどんな神様なのか紐解いていこうか!
映画『千と千尋の神隠し』における瀬織津姫[セオリツヒメ]
大ヒット映画である『千と千尋の神隠し』は瀬織津姫がモチーフとされています。
『千と千尋の神隠し』の内容を思い出したい方は、下記をご覧ください。
『千と千尋の神隠し』のあらすじ【ネタバレ注意】
異世界に迷い込んだ少女「千尋」。
名前を奪われ、八百万の神々がお客様として訪れるお風呂屋で働き始めます。
働く中で様々なハプニングが起きますが、その度に「ハク」という少年が助けてくれます。
そんなハクの正体は巨大な白龍であり、ハクもまた名前を奪われていたのです。
ハクを救いたいと千尋は旅に出て、ハクの正体が昔よく遊んでいた近所の琥珀川そのものであり、溺れた千尋を助けてくれた川の神様だったことを思い出します。
そして、千尋がハクの正体を思い出したことにより、ハクも自分の名前が「ニギハヤミコハクヌシ」だと思い出すことになるのです…。
たぬきはね、千尋の両親がご飯食べてるシーンが好き!
ハクの名前から、日本神話に出てくる「ニギハヤヒ」がモデルになっていることが分かります。
ニギハヤヒ?
ニギハヤヒは、初代天皇である神武天皇よりも先に天から降り立って、大和の地を統一したとされており、古代日本の統一王だとされています。
日本を統一したにも関わらず、神武天皇の軍が攻めてきた際にあっさり国を譲り渡した神様。しかし、そんな重要な神様であるのに記述されている記紀が少ないです。
そんなニギハヤヒの本名は、祀られている磐船神社にて「アマテラスクニテラスヒコアメノホアカリクシタマニギハヤヒノミコト」とされています。
この名前には、アマテラス、スサノオ、ツクヨミの3氏族を束ねる存在だという意味が込められているとされており、このことから日本で最初の太陽神であるアマテラスと同一神ではないかとされています。
また、ニギハヤヒはオオモノヌシとも呼ばれており、このことから蛇の化身ではないかとも言われています。
これら以下の共通点を踏まえ、ハクのモデルはニギハヤヒであるということが分かります。
- 真名を奪わた
- 歴史から痕跡を消された
- 封印された
- 龍蛇の化身
- ニギハヤヒという名前
ここまで特徴が一緒なんて絶対、ニギハヤヒがモデルだよ!
また、余談ですが織姫と彦星の伝説をセオリツヒメとニギハヤヒがモデルの話だと捉える方も多いです。ツインレイに興味がある方は聞いたことがあるかもしれません。
しかし「ニギハヤミコハクヌシ」の「ニギハヤミ」がニギハヤヒからきているのはわかったが、「コハクヌシ」はどこからきているのか?
なんだろう?
まず、「コハク」という言葉において意味のある言葉は「琥珀」しかないので、宝石の琥珀が関係していることが分かります。
琥珀はその輝きから「太陽の石」と呼ばれており、太陽の力を封じ込めた石とされています。
また、琥珀の石言葉は「繁栄」「愛」「帝王」。「太陽」と「帝王」という言葉はまさにアマテラスと一致しており、封印された太陽の石がまさに歴史から消された太陽神であるニギハヤヒと完全に一致しています。
このことから、「コハクヌシ」にはニギハヤヒが隠されていることが分かります。
しかし、「コハクヌシ」という名前にはもう1柱が隠されていると解釈もできそうです。
1つの名前に2柱も隠されているの!?
その1柱こそがセオリツヒメ!
セオリツヒメもまた、ハクと同様に歴史から消された重要な神様であり、川を司る神様であり白龍の化身とされてきました。
でも、なんでハクは「ニギハヤヒ」と「セオリツヒメ」の2柱を結合した存在なの…?
おたぬき鋭いね!
それについては、2柱の関係性を読み解く必要があるんだよ。
ニギハヤヒとイチキシマヒメの結婚
ニギハヤヒの子孫が宮司を務める龍神社には、ニギハヤヒとイチキシマヒメが夫婦として描かれている絵馬があります。
しかし、日本神話の系図においてニギハヤヒとイチキシマヒメが夫婦という情報は一切ありません。
つまり、二柱の結婚自体が歴史から消されている。
なんで?
イチキシマヒメはセオリツヒメと同一神とされています。
そのため、セオリツヒメが記紀から存在を消されると同時に消され、ニギハヤヒとイチキシマヒメが夫婦という情報も合わせて消されたのかもしれません。
ですが、『ホツマツタエ』には「アマテルカミの正妻はセオリツヒメであった」と明確に記載されているので、ニギハヤヒとセオリツヒメの婚姻関係は明白だといえなくもありません。
映画『君の名は。』における瀬織津姫[セオリツヒメ]
また、映画『君の名は。』もセオリツヒメをモチーフにしている映画とされています。
新海監督の映画『天気の子』や『君の名は。』、宮崎駿監督の映画『千と千尋の神隠し』は、セオリツヒメがモチーフになったとされているんだよ。
そうなの!?
どれも見たことあるけど、ぜんぜん気付かなかった!
『君の名は。』の内容を思い出したい方は、下記をご覧ください。
『君の名は。』のあらすじ【ネタバレ注意】
都会の生活に憧れを抱く田舎の女子高生であり宮水神社の巫女を務める「宮水三葉」。東京の男子高校生である「立花瀧」。
ある日、この2人は体が入れ替わってしまいます。
そこで立花瀧は、記憶をもとに誰と入れ替わったのか確かめることにしますが、そこでとんでもない事実が明らかになります。
なんと、入れ替わっていた宮水三葉は、3年前の隕石落下で村ごと消滅し亡くなっており、入れ替わりには3年ものタイムラグがあるのでした。
そこで立花瀧は、宮水神社の御神体がある祠で再び体を入れ替え、村を隕石の衝突から救うのです。
最後とか、感動的だよね〜
まず、新海監督は宮水三葉に関する以下のような情報を提示しています。
宮水三葉の名前の由来は、ミズハノメという神様です。
ミズハノメとは川や滝を司る水神であり、龍にまつわる女神であることからセオリツヒメと同一視される神様の代表格です。
そして、「立花瀧」の「瀧」は「滝」の旧字であり、滝は古来より龍そのものとされてきたことから、立花瀧の名前もセオリツヒメと関わりがあることが分かります。
主人公の2人ともセオリツヒメに関係する名前なんだね!
主人公の宮水三葉が巫女を務める宮水神社ですが、宮水三葉が舞を踊る際に、頭に大きな龍を付けて、手には龍が装飾された鈴を持っていることから、宮水神社は龍に関わりの深い神社であることが分かります。
そんな宮水神社は、飛騨にある「飛騨一宮水無神社」の奥宮という扱いになっており、外観は飛騨にある「日枝神社」がモデルとされています。
ここで、それぞれの神社の御祭神について解説していきます。
- 飛騨一宮水無神社の御祭神:ミトシノオオカミ(ニギハヤヒとタカテルヒメの御子神)
- 日枝神社の御祭神:オオヤマクイ(ニギハヤヒとアマチカルミズヒメの御子神)
両方ともニギハヤヒの子供だ!
オオヤマクイの母神である天知迦流美豆比売[アマチカルミズヒメ]は、名前以外の情報が無い女神です。
しかし、「天知=天を知る」「流美豆比売=美しく流れる」という意味なので、名前から「天を知る美しい水の女神」であることが分かり、アマチカルミズヒメはセオリツヒメと同一神であるということが分かります。
以上の考察より、ニギハヤヒの正妻とされているセオリツヒメは、アマチカルミズヒメやイチキシマヒメ、そしてタカテルヒメと同一神である。
つまり、セオリツヒメはオオクニヌシの娘であり、初代天皇である神武天皇の義父であるコトシロヌシの妹ということかもしれません。
お〜!
…
ここまで一般的に言われているセオリツヒメの情報をまとめてきました。
「結局、セオリツヒメの正体はなんなのか?」と一言で結論づけることはできていない状態です。
しかし、点と点がつながり、線になりつつあるようにも思えます。
当ブログでも、より詳しい情報がわかれば随時追記していきます。
なお、セオリツヒメに関する濃い情報は書籍が参考になります。
99.99%の人が知らないセオリツヒメに関しての本質情報を知りたい方はチェックしてみてはいかがでしょうか。